きのう生放送でフェイクニュース、ポスト真実について話して、
帰りの電車でもぐるぐる考えていたんだけど…
ネット上で、フェイク記事をまき散らすデマサイトについては、
やっぱり、これ以上跋扈させない仕組みを本気で考えないと
マズい状態なんだろうと思う。
一般のネット利用者にとってはもちろん悪影響だし、
新聞記者やテレビ番組の制作者がネットのフェイクを見破れずに
そのまま流用してしまうような段階となると、
メディアの信用性という意味でも、まったくいいことはない。
必死で「右派ニュース」を製造するネトウヨさんも、
なけなしの小銭で、貴重な人生をその程度のことに買われるなんて、
機会損失が大きすぎてあまりにかわいそうだ。
最終的に、もっとも悲惨なブラックバイトになるんじゃないかな。
個人レベルでフェイクを見破るというのも、ずっとはやれない。
いまはそういう見破りに快感を覚えて楽しめる部分があるかも
しれないけれど、焼け石に水でしかないことがわかってくれば、
無駄な作業に感じるようになると思う。
やはり、フェイク記事が成立してしまう仕組みそのものに、
テコ入れしないとだめなんじゃないかな。
元凶は、ネットの広告の仕組みだろう。
ネットは、どこの誰がどんなサイトを作っても、たいした審査なしに
クリック広告を設置できる仕組みになっている。
記事の内容がどうであろうと、アクセス数が上がれば広告をクリック
する確率が増えるから、利益につながっていく。
デマでもなんでも、話題にさえなればいいアフィリエイトブログ、
嘘でもなんでも、特定の目的を達成すればいいフェイクニュースが
成立するのは、この広告の仕組みに支えられている。
だから、真偽や信頼よりも「刺激」や「記事の大量生産で埋め尽くす」
が重要になってしまう。
「炎上」という言葉が流行したことについても、人々が押し寄せて
集団リンチの快楽を味わっているその奥に、広告料で儲けている人間
が必ずいることを考えたほうがいい。
ネットの人々は、大企業の出す広告にはいちいち敏感に文句をつける。
あのコピーは問題がある、あの動画のストーリーは不愉快だ、と。
一方で、デマサイト、フェイクサイトに広告を出稿している企業には
矛先が向かないのはなぜなのか?
現実には、「大企業が敵だ」と思い込んでいるうちに、その足元に
ひたひたとフェイクの沼ができあがっているのでは?
大企業の広告に物申すよりも、ネット広告に疑問を感じたほうがいい。
そして、ネット広告を出稿する側に、倫理規定を設ける動きがあって
もいいと思う。
悪質なデマサイト、フェイクサイトに広告を出稿してしまったら、
企業のイメージが落ちますよ、と。うちはそういう悪質サイトには
広告が表示されないようにコントロールしていますよ、と。
いま大企業は、ネット広告で地雷を踏んでしまう可能性が高いので、
二の足を踏むか、リスク覚悟でやるしかないか、という状態だという。
じゃあどこに出向するのが安全牌かというと…日経新聞ということに
なるのだそうだ。
ファクトチェックの機能を持ちながら、広告出稿をコントロールする
ようなネット広告代理店があれば、大企業から信頼を得られるから、
儲かるビジネスにもなるんじゃないの?
法制度もあっていいと私は思うけど、IT技術は猛烈なスピードで
変化しているから、議論している間に別の仕組みが出来上がって、
置いてけぼりになる可能性が高いと思う。
やはり、フェイクニュースが流行するその裏で、一番儲かっている
広告業界に変化が必要かな。